皮膚の薬

手あれに最適な保湿剤配合の市販薬の紹介

 

手あれがひどいとかゆみや腫れがひどくて、おまけに見栄えも悪く一刻も早く治したいですよね。

「たかが手あれ」と思って放って置くと、何をするにも不便を感じてしまう最悪の状態にも繋がりかねません。

そこで今回は手あれに効くおすすめの市販薬を紹介したいと思います。

もし水に触れる機会の多い仕事の人や、皮膚が弱くて家事をする上で手あれになりやすい人はぜひ参考にしてみてください。

日本皮膚科学会ガイドライン参考

 

手あれが起きる原因

そもそもどうして手あれは起きてしまうのでしょうか。

その原因は皮膚が繰り返しダメージを受けてしまうためになります。

 

「皮膚がダメージを受ける」というのはどういことかと言いますと、例えば水仕事が多かったり薬品などに触れる機会が多くなってしまう際に皮膚を守る働きである「角質細胞間脂質」「皮脂」「天然保湿因子」の数が減ってしまうことになります。これらの物質は皮膚が正常である上で欠かせない役割を持っており、皮膚に潤いを与えたり皮膚を保護するバリア機能の働きを持っています。

 

すると皮膚が水などで繰り返しダメージを受けてしまうと皮脂が減ってしまい、皮膚は乾燥してカサカサした肌になりさらに皮膚を保護する働きも弱ってしまうので、皮膚は外気からのダメージを直接受けてひび割れやあかぎれを起こしてしまうんです。

手あれにおすすめな市販薬

では実際に手あれに効くおすすめの市販薬を紹介したいきます。

ただ「手あれ」と一言に言っても症状に応じて選ぶべき薬が異なりますので、ここでは皮膚の症状に応じた薬を紹介していきます。

手あれに必須な保湿剤

手あれに最も必須であることが保湿になります。治療の中心と考えてください。

 

手あれの状態は皮脂が減って皮膚が乾燥している状態ですから、手あれの程度に関わらず保湿が大切になります。もしかゆみや炎症がひどくない場合は保湿剤だけでも問題ありません。

ただし保湿剤と言っても複数の種類がありますので、特徴別に紹介していきます。

 

<ヘパリン類似物質配合保湿剤>

・HPクリーム

・ピアソンHPクリーム など

これらは保湿剤の代表と言えるヘパリン類似物質を配合した保湿剤になります。医療用として良く用いられるヒルドイドと同じ成分です。ヒルドイドと同じように他の成分は一切配合していません。

 

白色ワセリン

こちらはヒルドイドと同様に保湿剤としてかなり有名な塗り薬となります。

ヒルドイドとの違いはクリームではないため水で洗い落とされにくく、水仕事が多い人にとってはよりおすすめの塗り薬となります。ただその分ヒルドイドと比べてべたつきが強く感じられるのが欠点です。

 

<尿素配合保湿剤>

・フェルゼアHA20クリーム

・ケラチナミン コーワ 20%尿素配合クリーム など

こちらは「尿素」という成分を配合しているクリームになります。

尿素は保湿効果があるのはもちろん、固くなった皮膚を軟らかくする働きがあります。ですから手あれでガサガサ・ゴワゴワした皮膚症状が目立つ時は尿素を使用するようにしましょう。

ただしひび割れやあかぎれが生じている場合には尿素は正常な皮膚も柔らかくしてしまう働きがあるため、さらにひび割れやあかぎれの症状を悪化させてしまいます。ですからこれらの場合は尿素を使うのは避けてください。

 

今回上で挙げている尿素は共に尿素を20%配合した、市販の中では最も配合量が多い尿素クリームになっています。よって分類も「医薬品」に分類されています。一方で「医薬部外品」として尿素を10%しか配合していないクリームも多く発売されています。こちらは医薬品ではないためスーパーなどでも目にする事があるでしょう。

では10%と20%はどちらの方がいいのかと言いますとガザガザ・ゴワゴワしている症状がひどければ20%、そこまでひどくない時は10%でも問題ありません。値段は当然10%の方が安いです。

 

手あれに効く保湿剤の選び方

手あれに効く保湿剤の偉い方をまとめると以下のようになります。

べたつきを気にしたくない⇒ヘパリン類似物質

べたついても構わない⇒白色ワセリン

ゴワゴワガザガザがあって傷になっていない⇒尿素

 

年中乾燥がある人の手荒れにはヒシモア

もし冬場だけでなく年中手の乾燥がある人はそもそも皮膚に潤いが足りない状態の可能性が高いです。上でも紹介しましたが手あれの原因となる「皮脂」「角質細胞間脂質」「天然保湿因子」が不足している可能性が高いんです。

 

そこで市販の塗り薬の中でベストなものがヒシモアになります。

ヒシモアはヘパリン類似物質・ガンマ‐オリザノール・セラミド様成分を配合している市販の塗り薬の中では珍しい保湿に特化した塗り薬になります。おまけにジフェンヒドラミンというかゆみに効く成分までも配合されており、これ1つで保湿とかゆみの両方に対応する事が可能となるんです。

<ヒシモアの成分>
ヘパリン類似物質・・・0.3g
ジフェンヒドラミン・・・0.5g
ガンマ-オリザノール・・・1.0g

 

ですからもし冬場だけでなく、年中手が乾燥気味であったり刺激を受けている印象がある場合には単純な保湿だけでなく、皮膚に潤いを与える成分を配合してあるヒシモアを試してみましょう。

ヒシモアに似た成分としてsaiki(サイキ)クリームが発売されていますが、こちらは定価を比べるとヒシモアの方が圧倒的に安いためヒシモアを推奨しています。またヒシモアには30gと70g入りが発売されており、使う時期が長くなりそうな人は70gを選べばコストパフォーマンスも良いです。

 

詳しくはこちらも参考にしてみてください。

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かゆみがひどい手荒れにはステロイド

もし、かゆみや炎症が起きている場合はステロイドを使用する事も有効となります。特にアレルギーが原因の手荒れによく効果を発揮します。

では市販薬の中でどの薬がおすすめかと言いますとロコイダンクリームです。

 

こちらはステロイドの中でも下から2番目の強さになり比較的安全に使用できるタイプのステロイドになります。顔にも使用できる程度の強さです。

またロコイダンクリームは他に余分な成分を一切配合していないため、保湿剤と合わせて使用するのにベスト。またロコイダンクリームは7g入りと大変少量から販売されているため、決して長期で使用するべきではない手荒れに使用する場合には適していると考えられます。長くても使用は1か月以内に抑えましょう。

<ロコイダンクリームの成分>

ヒドロコルチゾン酪酸エステル

 

ステロイドを使いたくない人

もし「かゆみや炎症があるけれども我慢できない程ではない」「ステロイドはなるべく使いたくない」という人の場合におすすめなものは保湿剤+かゆみ止め・炎症止めが配合されている塗り薬を使用するという手段です。

例えばメンソレータムヘパソフトプラス等はヘパリン類似物質をベースにかゆみに効く成分を2種類配合。またパンテノールを配合し皮膚の修復にも効果的です。

 

<メンソレータムヘパソフトプラスの成分>

ヘパリン類似物質
パンテノール
ジフェンヒドラミン
クロタミトン

 

ちなみにヘパソフトプラス以外にもヘパリン類似物質を配合しているかゆみや炎症に効くクリームは多く発売されていますので、ぜひこちらも参考にしてみてください。

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ガサガサ・ゴワゴワした手あれで炎症がある場合はフェルゼアHA20クリームもおすすめです。フェルゼアHA20クリームは尿素を配合しているクリームになります。そして炎症を抑える成分(グリチルリチン酸)と皮膚の修復を行ってくれる成分(トコフェロール酢酸)も配合しています。

 

<フェルゼアHA20クリームの成分>
尿素
グリチルリチン酸二カリウム
トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)

 

手あれを治すためには薬を正しく使う

手あれの治療で大切なことは多少改善しても保湿剤を使い続ける事です。

 

手あれを起こしやすい人は皮膚自体が弱かったり、水に触れる機会が多い人が多いと思います。ですから仮に症状が改善傾向にあっても、冬の時期はなるべく保湿剤を使用するようにしましょう。そして保湿剤は入浴後に塗るのが最も効果的になりますので、お風呂上りには必ず保湿剤を使用するようにしてください。

ガイドラインによると実は「どの薬を使用するか」と言う事よりも、どのハンドクリームでも1日4回以上しっかりクリームを使用した方がより手荒れに効果があったとの報告もなされています。

 

また保湿剤を塗った後には手袋をするなどしてカバーする事でより一層効果的になりますので、なるべく保湿剤を使用した後には手を保護する事を忘れないようにしましょう。長時間手袋をする際には内側にコットンの手袋を利用するのもおすすめです。

そして塗り薬を使う量としては多少使い過ぎなのでは?と思う程度でも構いません。しっかり手全体に塗ってください。

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