皮膚の薬

ステロイド軟膏-市販薬の軟膏を強さ別に一挙に紹介!-

 

ステロイドの軟膏は病院で貰える薬を含めて5段階に分かれます。

もっとも強力

かなり強力

強力

中程度

弱い

 

そして市販のステロイド軟膏は赤文字の

「強力」「中程度」「弱い」の3種類が発売されています。

 

残念ながら「かなり強力」と「もっとも強力」に関しては効果が強いため、市販で手に入れる事はできません。病院を受診する必要があります。

 

そこで今回は市販のステロイドを強さ別に紹介していきます。

強いステロイドはブヨなどの炎症がひどい虫刺されや、あせもや皮膚炎などにも効果を示しますので、皮膚症状がひどい場合ぜひ参考にしてみてください。

 

市販のステロイド配合の塗り薬の分類

市販薬の中で最強のステロイド

・ベトネベートN軟膏AS
・ベトネベートクリームs
・フルコートf軟膏

 

ベトネベート及びフルコートfは市販のステロイド軟膏の中で最も強いステロイドを配合しています。そしてベトネベートN軟膏ASとフルコートf軟膏の2つには抗生剤も配合されていますので、菌の増殖を防ぐ事ができます。

つまり傷口がジュクジュクしていたり化膿している場合にも効果を発揮します。この2つが市販のステロイド軟膏の中で最も作用の強いものとなります。

 

●ベトネベートとフルコートの違いと選び方

ベトネベートとフルコートの効果は特に大きく違いませんので値段が安い方をおすすめします。ただベトネベートには抗生剤が配合されていないタイプのベトネベートクリームSがあり、AmazonでもこのベトネベートクリームSが最も値段が安くなっていますので化膿していない場合にはベトネベートクリームSを選ぶ事をおすすめします。

クリームの方が塗り心地がよく伸びも良いメリットがありますが軟膏と比べると水に弱く落ちやすいです。

 

2021年には医療用のリンデロンがスイッチしたリンデロンVsが発売されました。

共に「ベクロメタゾン吉草酸エステル」を配合している薬となり、上で紹介したベトネベートと同じ成分を配合しています。ただしベトネベートとは異なり抗生剤が配合されていません。

リンデロン市販
病院と同じリンデロンVsは市販薬最強のステロイド配合 2021年2月にリンデロンVs軟膏・リンデロンVsクリームが発売になりました。 いずれも病院で使用されている薬と同じものと...

 

中程度の強さのステロイドはたくさん

強いステロイド軟膏は上に挙げた2つぐらいしかありませんが、中程度の強さのステロイドは非常にたくさんあります。

そんな中程度のステロイドを全部挙げるとキリがないので特におすすめなステロイド軟膏を紹介していきます。

 

・新エミリエントEX

新エミリエントEXの紹介

軟膏ではなくジェルタイプですが、効果はかなり高いです。中程度のステロイドはもちろん、かゆみに効く成分が3種類配合されています。

価格:829円(20g)

 

 

・メンソレータムメディクイックHゴールド

メンソレータムメディクイックHゴールドの紹介

「頭皮専用」の様にパッケージに書かれていますが、実際は頭皮以外にも広く使用する事が可能ですしかも炎症やかゆみを抑える成分も配合しています。軟膏タイプではありませんが、べたつきのない爽快感を感じる事ができます。

価格:1200円(30ml)

 

・ムヒアルファEXムヒアルファEXの紹介言わずとしれた有名なムヒシリーズのひとつです。中程度のステロイドに加えてかゆみを抑える成分が2種類配合されています。

価格:1082円(15g)

 

弱いランクのステロイド

液体ムヒS2

言わずと知れたメジャー薬。最近では同じ成分を配合したプライベートブランドも発売されているためそちらでもいいでしょう。

価格:780円(50ml)

 

テラコートリル軟膏

抗菌薬とステロイドのみを配合している塗り薬です。傷になったりジュクジュクした部位にも使用できるのが利点です。

価格:1000円(6g)

強さ別ステロイド配合の塗り薬のまとめ

●強い

ベトネベート、リンデロンVs(ベタメタゾン吉草酸エステル)、フルコートF(フルオシノロンアセトニド

●中程度

新エミリエントEX、メンソレータムメディクイックHゴールド、リドベートQゲル、エンクロンEX軟膏、ムヒアルファEX、ウナコーワエース(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)、ロコイダン(ヒドロコルチゾン酪酸エステル)

●弱い

テラコートリル軟膏(ヒドロコルチゾン)

液体ムヒS2(デキサメタゾン酢酸エステル)など

 

市販のステロイド配合の塗り薬への疑問

ステロイドは市販薬なら顔に使えるのか

ステロイドを使用する際の疑問として顔に使用できるのか否かという疑問があります。

そしてこの答えとしては「強いステロイドは顔には使用しない方がいい」と言えます。

少なくとも今回紹介した市販の中で「最強のステロイド」のベトネベートやフルコートは顔には使用しないでください。また顔以外にもわきやデリケートゾーンも皮膚が薄いため使わないようにしましょう。

 

もし顔にステロイドを使用したい場合は今回紹介したものより強さのランクが下がるものを選ぶようにしてください。

例えば弱いタイプのステロイド配合のロコイダンクリームは比較的安全に使えますのでこちらを使用するようにしましょう。ただしその際にも長期間使用するのはやめるようにしてください。

 

ステロイドはニキビに使えるのか

ステロイドは炎症を抑える作用があるためにニキビに用いる人もいますが、これは避ける様にしましょう。

確かにステロイドは赤ニキビ等の炎症を抑える事ができるため、効果を実感できる場合もありますが、ニキビの原因は「菌の感染」によるものになります。しかしステロイドの塗り薬は免疫を抑える作用があり、結果菌の増殖を助けてしまう事になってしまうんです。

ですからニキビがひどいからと言ってニキビには使用しないようにしましょう。

ニキビにテラコートリルが効かない理由
ニキビにテラ・コートリルは絶対に使ってはいけないニキビ治療にテラコートリル軟膏と言う薬が効くと言うネット情報が散見されます。しかしニキビにテラコートリルやステロイドの塗り薬は使用してはいけません。症状を改善するどころか悪化させる可能性があります。...

 

また同様に水虫などのかゆみや陰部のかゆみに対しても使用しないでください。

 

1日に塗るステロイドの回数について

ステロイドの塗り薬には「1日数回使用してください」と書かれています。しかし「数回」と言われても何回塗れば良いのか分かりませんよね。

そこでステロイドの1日の使用回数ですが、この場合1日2~3回を目安に使用するようにしましょう。そして症状が改善してきたら回数を1~2回に減らし、最後にはゼロにしてください。

 

「1日に5~6回使ってはいけないのか」と思われるかもしれませんが、回数を増やせば治りが良くなるわけではありませんので注意しましょう。また使用する期間は1週間弱を目安に使用してください。

 

ステロイドの軟膏とクリームの違い

ステロイドの塗り薬には大きく軟膏とクリームがあります。

ではこの2つの選び方を簡単に紹介します。値段の差は基本的にありません。

軟膏・・汗や水で落ちにくいが、べたつきやテカりが気になりやすい

クリーム・・伸びがよくべたつきが少ないが、汗などで落ちやすい

 

以上の通り使用感が異なりますので、自分に合ったタイプを選ぶようにしましょう。ただ中には軟膏が思った以上にべたつくと言う人も多いため、最初はクリームタイプを選んだ方がいいかもしれません。

特に顔に使用する時はクリームの方がおすすめです。

 

ステロイドと保湿剤は併用可能なのか

ステロイドを使いながら乾燥を防ぐためのヒルドイドやワセリンなどの保湿剤を一緒に使用しても問題ありません。むしろ乾燥がある場合は積極的にこの2つを使用することをおすすめします。

そしてその際に塗る順番ですがステロイドが先でも保湿剤が先でもどちらも構いません。

特に治療効果に差は出ませんので好きな方を先に塗る様にしましょう。

 

ステロイドの飲み薬は市販では購入できるのか

今回ステロイドの塗り薬について紹介してきました。では飲み薬は市販では販売されていないのかと言うと、ステロイドの飲み薬は市販では購入する事ができません

そもそもステロイドの飲み薬は効果も副作用も強いため、医師の監視の下でしか使用する事ができません。自己判断で簡単に使用できる薬ではありません。

 

また皮膚のかゆみなどでステロイドの飲み薬が処方されるケースもアトピーなどの余程ひどい場合でない限りありませんので、まずは市販の塗り薬で対応しましょう。それでも改善がない場合は病院を受診する事をおすすめします。

 

ステロイドの塗り薬は危険なのか

「ステロイドは危険だから使わない方がいい」と度々言われる事がありますが、ステロイドが危険なのは飲み薬の方を指す事がほとんどです。

少なくとも塗り薬のステロイドを適切に使用している限り危険な事はほぼありません。

むしろステロイドは適切に使用すればこれほど効果的な薬もありませんので、正しい使い方をして症状を早く改善させましょう。

 

ただ塗り薬のステロイドの副作用ももちろんあります。

例えば皮膚が薄くなったり血管拡張作用により血管が浮き出て見えるなどが起きたりする事もあります。また陰部や顔や首などは皮膚が薄いため、今回紹介した強めのステロイドは使用しないようにしましょう。

 

そして上でも紹介しましたが、ステロイドは免疫を抑える働きもありますので、もしニキビやヘルペスなどに使用する場合には症状が悪化する可能性があるのでその場合は使用を避けるようにしてください。

 

ステロイドは症状と塗る場所で使い分ける

市販のステロイドの中で強い塗り薬を紹介してきました。

ステロイドには多くの種類があり、どれを使えばいいのか迷うこともあるかもしれませんが、ステロイドの強さ自分が使う身体の部位皮膚症状の程度が分かれば選ぶのはそこまで難しい事ではありません。

またそれ以外の選び方としては「軟膏は落ちにくいがべたつきがある。クリームはその逆でべたつきはなく塗り心地は良いが若干落ちやすい」なども選択肢になりますので、こちらも同様に自分に合っているのはどちらかと考えて選んでみてください。

 

ステロイドは怖いというイメージがある人も多いと思いますが、実際はダラダラ長期間広い範囲で使用しなければほぼ問題が出る事はありません。ですので皮膚の症状がひどい時は強めのステロイドを使ってなるべく早めに治すようにしましょう。

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