市販の便秘薬の中には「病院で用いられる医療用のものと同じ便秘薬(下剤)」が結構存在します。
そこで今回は市販の便秘薬の中から、病院でも使用されている医療用の便秘薬を紹介していきたいと思います。
中には医療用と同じ成分で、さらにそれ以上に強い便秘薬(下剤)がありますので、市販での便秘薬の購入を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
目次
病院と同じ市販の便秘薬(下剤)の紹介
マグミットと同じ市販の便秘薬
・3Aマグネシア
・酸化マグネシウムE便秘薬
医療用で使用されるマグラックスやマグミットなどと呼ばれる薬と同じ市販の便秘薬は「3Aマグネシア」「酸化マグネシウムE便秘薬」になります。
これらの便秘薬は「酸化マグネシウム」が主成分となっています。
この酸化マグネシウムというのは腸の中で水分を多く含むことによって便を柔らかくして排出しやすくしたり、周りの腸に刺激を与え排便効果を促したりする効果があります。
便秘薬(下剤)としての強さはマイルドな強さになり子供でも使用可能です。
普段便秘薬を使用した事がない人はまずはこの酸化マグネシウム配合の便秘薬から始めるようにしましょう。
そしてこの酸化マグネシウムはよく「痛み止め」にも配合されています。
痛み止めで使用される意図としてはもちろん便を出しやすくするためではなく、この酸化マグネシウムが胃酸(酸性)を中和してくれる事で胃を胃酸から守る事が可能となるためなんですね。
ただ胃への目的と便秘への目的では配合量がかなり異なるため(痛み止めに配合されている酸化マグネシウムはかなり少量)、痛み止めに配合されている酸化マグネシウムを下剤目的には使用できません。
下剤の酸化マグネシウムを飲んで、知らないうちに痛み止めの中にも酸化マグネシウムもとってしまうと二重で服用し過剰摂取の可能性もありますので、もし痛み止めを服用している人は酸化マグネシウムの有無を確認するようにしましょう。
※酸化マグネシウムE便秘薬に関してはこちらでも詳しく紹介しています。
アローゼンと同じ市販の便秘薬
・山本漢方 センナ末
・本草 センナ顆粒
実はアローゼンと全く同じ成分(センナ・センナ実)の下剤は市販薬として発売されていません。
ただこのセンナ・センナ実は「センノシド」と言う成分になりますので、ざっくり言えばセンノシドを配合した顆粒タイプの下剤がアローゼンに似た薬と言えます。そこで挙げられるのが「山本漢方 センナ末」「本草 センナ顆粒」です。
アローゼンの成分は
本品は定量するとき、1g当たり、センノシドAとセンノシドBの含量の合計として10~20mg を含む。(アローゼンインタビューフォームより)
一方「山本漢方センナ末」「本草センナ顆粒」の成分は日本薬局方(医薬品の規格の基準となる指標を提示してあるもの)に準じているので
本品は定量するとき,換算した生薬の乾燥物に対し,総センノシド〔センノシド A及びセンノシド B〕を1.0 % 以上を含む.(日本薬局方より)
となっています。つまりほとんど似た薬の効果が実感できます。
そして山本漢方センナ末や本草センナ顆粒は大腸刺激性下剤と呼ばれ直接腸を刺激する事で排便を促すことになります。
ただしこれらの大腸刺激性下剤は便秘薬として効果も強い反面、腹痛などの副作用も出やすいので長期で使用するには適していません。
山本漢方センナ末の方は、カップで量を調整して図るので少し面倒な面もありますが微調整が可能となります。一方、本草センナ顆粒の方は1包ごとに分かれていますので図る必要はありません。
プルゼニドと同じ市販の便秘薬
・コーラックハーブ
医療用のプルゼニドと同じ市販の便秘薬は「コーラックハーブ」になります。成分は「センノシドA・B」となります。「甘草エキス」も配合されています。
こちらもアローゼンと同様に、大腸を直接刺激して排便を促す効果が期待できる薬となっています。もちろん長期連用には適しません。
コーラックハーブはプルゼニド錠と1錠あたりの配合量が同じなので、こちらの方が違和感がなく飲めるという人も多いかもしれません。さらにコーラックハーブは「甘草エキス」という生薬も配合してあります。この甘草エキスはプルゼニドには使用後に腹痛が起きる事もありますが、その腹痛を抑える効果があるとされています。
ラキソベロンと同じ市販の便秘薬
・ピコラックス
・ビューラックソフト
ラキソベロンやシンラックと同じ市販の便秘薬は「ピコラックス」「ピューラックソフト」になります。成分は「ピコスルファートナトリウム」です。
こちらもアローゼンやプルゼニド同様に大腸刺激性の下剤になりますので、長期連用には適しておりません。
この2つの薬「ピコラックス」と「ビューラックソフト」は病院で使用されているものと全く同じ成分なので、安心して使用する事ができるでしょう。
ラキソベロンなどは「液体タイプ」で使用された方もいらっしゃるかと思いますが、市販では液体タイプは発売されていません。
テレミンソフト坐薬と同じ市販の便秘薬
・オイレスA
テレミンソフト坐薬と同じ市販の便秘薬は「オイレスA」になります。
こちらは大腸刺激性の便秘薬で「座薬タイプ」の便秘薬となっています。
主成分は「ビサコジル」という成分で、実はこの成分は病院で使用する医療用では座薬タイプしかありません。そしてオイレスAも坐剤タイプですが、「コーラック」や「ニューラック」などはビサコジルを配合した飲み薬として発売されています。
オイレスAは15~60分で効果を発揮する即効性のあるタイプになりますので、これまで説明してきた大腸刺激性の便秘薬とは異なり、すぐに効果が現れますので十分注意して使用するようにしましょう。
新レシカルボン坐剤と同じ市販の便秘薬
ウィズワン坐剤
コーラック座薬タイプ
新レシカルボン座薬S
新レシカルボンと同じ市販の便秘薬は「ウィズワン坐剤」「コーラック座薬タイプ」「新レシカルボン座薬S」となり、成分は「炭酸水素ナトリウム・無水リン酸二水素ナトリウム」となります。
これらの便秘薬は腸内でガスを発生させ、腸の働きを活性化させる事で排便を促します。また即効性も高い便秘薬になります。
市販の便秘薬の選び方
まず普段から便秘薬を使用する習慣がない人は、まずは酸化マグネシウムを配合してある「3Aマグネシア」「酸化マグネシウムE便秘薬」を選びましょう。
こちらは効果が強すぎる事もなく刺激も少ないので、一番最初に使用するべき便秘薬になります。
そして酸化マグネシウムの便秘薬で効果が感じられない場合はアローゼン・プルゼニド・ラキソベロンと同じ市販の便秘薬の中から1つ試してみてください。
これらはいずれも大腸を刺激するタイプになり効果も強めです。メジャーな所で言えばコーラックハーブがおすすめです。
これらの具体的な選び方はさらに詳しくこちらでも紹介しています。
ただこれらの便秘薬は服用して8時間程度してから効果を発揮するタイプの便秘薬になりますので、もし即効性が欲しい時は坐剤タイプの「オイレスA」や「コーラック坐剤」などを試してください。
病院と同じ市販の便秘薬が効かない時
便秘薬を併用する
市販の便秘薬が効かない時は便秘薬を併用する事もあります。
例えば「プルゼニド系」や「ラキソベロン系」などの刺激性の便秘薬を組み合わせたりします。
ただしこれらの大腸刺激性の座薬2種類を使用してしまうと腹痛だったり吐き気などの副作用も出やすくなってしまいます。
ですからまず最初は一番上で紹介した非刺激性の酸化マグネシウムと刺激性の便秘薬であるコーラックハーブ等を併用してみましょう。
単独で強い市販の便秘薬を使う
もしすでに今回紹介した便秘薬を試したことがあるけど、効果が十分に得られなかった人は、市販の便秘薬の中でギリギリまで効果を高めてある「新ビオミットS」という便秘薬もあります。
こちらはセンノシド・ビサコジルなどを配合し、その他にも便を柔らかくする成分などが1つの錠剤に配合されている、市販の便秘薬の中ではトップクラスで効果のある便秘薬となっています。
ただし便秘薬に限りませんが強いからいい薬とは言えませんので、もし新ビオミットSを使用する際には最終手段と思って使用してみてください。長期使用は絶対におすすめしません。短期使用に留めましょう。
詳しくはこちらも参考にしてみてください。
アミティーザやリンゼスは市販で買えない
多くの病院で使用される下剤の多くが市販でも発売されています。しかし中には市販では購入できない病院の下剤も存在します。
その代表的なものにアミティーザとリンゼスなどが挙げられます。
この2つの下剤は比較的新しめの下剤になるため、市販では購入する事ができません。
では効果としてはどうなのかと言いますと、まずアミティーザは即効性のない下剤になります。そもそもこのアミティーザ自体が1日に2回飲み続ける事により効果を発揮する薬になるため、瞬発的な強さで言えば上で紹介した刺激性の便秘薬の方が強いと言えるでしょう。
またリンゼスは過敏性腸症候群の便秘にも使用できる薬になります。
過敏性腸症候群とは内視鏡検査や血液検査などでは異常を認める事ができませんが、急な腹痛と共に下痢や便秘を繰り返す症状になります。そしてリンゼスはこの過敏性腸症候群の便秘に効果を発揮する薬となります。
リンゼスは腸の働きを正常に戻す働きにより、過敏性腸症候群の便秘に効果のある薬です。こちらも即効性がある薬ではありません。
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もちろんいきなり購入する事に抵抗がある方もいると思いますので、もし気になる方は目次だけでも見ていってください。